std::array<array>ヘッダで提供される、固定長の配列を表現するコンテナ(C++)クラステンプレート配列(C言語)と同様に要素は連続して配置され、長さの情報も保持する。 要素型が対応していれば、コピーやムーブも行える。 そのため、配列(C言語)より値として扱いやすい。

宣言の例:

#include <array>
 
int main()
{
    std::array<int, 5> a {}; // int型で長さ5のarrayの変数`a`
}

集成体初期化

std::array集成体であり、集成体初期化を行える。

長さと添字の型

std::array<T, N>N は型の一部であり、std::array<int, 3>std::array<int, 4> は別の型になる。 長さや添字を表す型として size_type を持つ。 多くの場合は std::size_t に近い型である。

長さを取得する

符号なし整数として

size_type型で長さを返すsize()メンバ関数を利用する。

符号付き整数として

C++20 では、普通 std::ptrdiff_t 型で長さを返す std::ssize() 関数を利用できる。

長さが0の std::array

長さが0のstd::arrayの要素へのアクセスは未定義動作を起こす。 長さが0であるかはempty()メンバ関数の真偽値で確かめられる。

要素に添字でアクセスする

各方法の違い

  • at() は添字が配列の範囲外であるかを実行時に境界チェックする(例外を投げる)
  • std::get<添字>() は添字をテンプレート引数で指定し、範囲外ならコンパイルエラーになる

複合型のarray

std::arrayはある1つのC言語スタイルの配列メンバで要素を管理する構造体として定義されているため、本来であれば初期化の際、各要素を一つのリスト初期化{}でまとめて渡す必要がある。しかし、各要素がスカラー値の場合は、この工程を省略できる(brace elision1複合型(C++)の要素を持つ場合は、初期化で入れ子の {} が必要になることがある。

例:

constexpr std::array<House, 3> houses {
    {
        { 13, 4, 30 },
        { 14, 3, 10 },
        { 15, 3, 40 },
     }
};

参照を要素として持つ

array(C++)は要素を代入で可能なオブジェクト(C++)として持つ必要があるが、参照はオブジェクト(C++)ではないため、要素として持つことができない。 解決策として、<functional>ヘッダで提供されるstd::reference_wrapperクラステンプレートで、任意の型の変更可能な左辺値参照(C++)を包んで持つことができる。 std::reference_wrapper<T>は暗黙的にT&へ変換される。get()メンバ関数でも明示してT&を得られる。

#include <array>
#include <functional> // for std::reference_wrapper
#include <iostream>
 
int main()
{
    int x { 1 };
    int y { 2 };
    int z { 3 };
 
    std::array<std::reference_wrapper<int>, 3> arr { x, y, z };
 
    arr[1].get() = 5; // modify the object in array element 1
 
    std::cout << arr[1] << y << '\n'; // show that we modified arr[1] and y, prints 55
 
    return 0;
}

多次元配列

テンプレート引数での、配列の要素の型指定に配列を指定してネストすることで実現する。

std::array<std::array<型, 長さ>, 長さ> arr {{}}; // {}でもok

エイリアステンプレートで扱いやすくする

多次元配列のエイリアステンプレートを用意することで、初期化や次元ごとの長さの取得などを簡潔化できる。

template <typename T, std::size_t Row, std::size_t Col>
using Array2d = std::array<std::array<T, Col>, Row>;
 
template <typename T, std::size_t Row, std::size_t Col>
constexpr int rowLength(const Array2d<T, Row, Col>&) // `int`ではなく`std::size_t`を返すようにしても良い
{
    return Row;
}
 
 

参考

Footnotes

  1. https://cpprefjp.github.io/lang/cpp14/brace_elision_in_array_temporary_initialization.html